LaTeX数式・Mermaid図入りMarkdownをWordへ変換する方法(2026)

LoveMarkdown編集部公開

Markdownで技術文書を書いていて、「Wordファイルでちょうだい」と言われたことはありませんか。ほとんどのコンバーターでエクスポートすると、数式は \frac{a+b}{c-d} のような崩れたテキストになり、Mermaidの図はただのコードの壁になります。

このガイドでは、LaTeX数式とMermaidダイアグラムを保ったままMarkdownをWordに変換する方法、その内部動作、そして逆方向——Wordのネイティブ数式をLaTeX Markdownに戻す方法——を解説します。

ほとんどのコンバーターで数式や図が壊れる理由

WordにはLaTeXの概念がありません。.docxファイルが格納しているのはテキスト・スタイル、そして数式ならWord独自の数学フォーマットOMML(Office Math Markup Language)です。MermaidはWordの世界にそもそも存在しません。したがってコンバーターは数式や図ごとに3つの選択肢を取ります。

方式 Wordでの結果 問題点
LaTeXをUnicodeに平坦化 ∑_(i=1)^n x_i のようなプレーンテキスト aligned・cases・行列は崩れて読めなくなる
ネイティブOMML数式 Wordで編集可能な数式 実装しているコンバーターは少なく、レイアウトがずれがち
描画して画像として埋め込み プレビューと完全に一致 数式自体はWordで再組版されない

平坦化はほとんどの無料ツールが採る方式で、「エクスポートしたWordが崩れる」という不満の原因です。x^2 以上の複雑な式では、平坦化されたテキストは読みものになりません。

LoveMarkdownの数式→Word変換の仕組み

Markdown to Wordコンバーターは3つ目の方式を採用します。数式ごとに、ライブプレビューを描画するのと同じKaTeXエンジンで描画し、3倍の解像度でラスタライズして高解像度画像として.docxに埋め込みます。

  • インライン数式 — $E=mc^2$ は文中の本文サイズで表示されます。
  • ブロック数式 — $$...$$ は中央揃えの独立した数式になります。
  • 難しい構造も対応:\frac、\begin{aligned}、\begin{cases}、\begin{pmatrix}、\sum、\int、ギリシャ文字、入れ子の上下付き文字。
  • テキストは編集可能のまま — 見出し・段落・リスト・表・コードは通常のWordコンテンツです。数式自体のみ画像なので、レビュアーは周辺でコメントや変更履歴を普通に使えます。

描画エンジンがプレビューと同一のため、「プレビューは良かったのにエクスポートがおかしい」というズレが起きません。

Mermaidダイアグラムのエクスポート

```mermaid コードブロックはクライアント側で描画され、ブロックのあった位置に中央揃えの高解像度画像として埋め込まれます。フローチャート、シーケンス図、クラス図、ステート図、ER図、ガントチャートなど、Mermaidが描けるもの全般に対応しています。プレビューに表示された図がそのままWordエクスポートに入ります。

手順:数式の多い文書をエクスポートする

  1. Markdown → Wordコンバーターを開く。
  2. Markdownを貼り付けるか.mdファイルをアップロード。数式はインライン $...$、ディスプレイ $$...$$ — GitHub・Obsidian・Jupyterと同じ構文です。
  3. ライブプレビューで確認。描画された数式と図がすべて.docxに入ります。
  4. Download Wordをクリック。
  5. Word・Google Docs・LibreOfficeで開いて、通常どおりコメントや変更履歴を追加。

LaTeXのインストールもPandocのパイプラインも、手作業のスクリーンショットも不要です。

逆方向:Word数式をLaTeXに戻す

同僚からWordのネイティブ数式だらけの.docxを受け取り、READMEやWiki、論文ドラフト用のMarkdownが必要になることも多いはずです。ほとんどのコンバーターはその数式を黙って落とします。Word to Markdownコンバーターは文書内のOMML数式を読み取り、LaTeXへ変換します。

  • インラインのWord数式は $...$ に。
  • ディスプレイ数式は $$...$$ に。
  • 分数・上下付き・根号・行列・cases・総和・積分がLaTeXの対応する記法に変換されます。

どの方式を使うべきか

状況 最適なツール
数式・図入りの忠実なエクスポートを手早く オンラインコンバーター(本ツール)
編集可能なOMML数式が必須の論文投稿 Pandoc + TeXツールチェーン
2〜3個の数式を手で調整したい Wordの数式エディター

Markdownで書かれた文書なら、直接変換するのが構造を保ちます。見出しは本物のWordの見出しスタイルに、表は本物の表に、数式と図は描画された状態で届きます。

FAQ

エクスポートしたWordファイルで数式は編集できますか?

数式の周囲のテキスト(見出し・段落・表・リスト)は完全に編集可能なWordコンテンツです。数式自体は高解像度画像として埋め込まれるため、Google DocsやLibreOfficeを含むすべてのWord環境でプレビュー通りの見た目になります。

どのLaTeX構文に対応していますか?

KaTeXが対応する構文すべてです。よく使われるものとしては分数(\frac)、aligned環境、cases、行列(pmatrix、bmatrix、matrix)、総和・積分・根号・ギリシャ文字・上下付き文字など。プレビューで描画できれば、Wordエクスポートにも入ります。

Wordエクスポートで使えるMermaidの図の種類は?

フローチャート、シーケンス図、クラス図、ステート図、ER図、ガントチャート。Markdownのコードブロックがあった位置に中央揃えの画像として埋め込まれます。

逆方向のWord数式→LaTeX変換は?

はい。Wordのネイティブ数式(OMML)はMarkdown出力でLaTeX数式に変換されます — インラインは $...$、ディスプレイは $$...$$。数式のスクリーンショットとして貼り付けられた画像はLaTeXに復元できません。ネイティブ数式のみ変換されます。